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4月。駆け抜けるもの。 〈ジャクソン・ポロック展〉 [見たもの読んだもの日記]

もうこんな季節なんですよ。

ゼルコバのパンはほぼ売り切れ・・・.jpg

畑作業の記事が作業に追いついたところ(また先越されてるんですけど・・・)で、話が半月前にさかのぼっちゃいます。


これ行ってきました。
ジャクソン・ポロック展
http://www.momat.go.jp/Honkan/jackson_pollock_2012/

図録がカッコいい!.jpg

リンクは東京国立近代美術館のサイトです。 公式サイトに行くと、トップページにはタレントの顔写真が並んでます。どうしてこんな演出が必要なの? コメントだってはっきり言って陳腐だし。 美術展(に限りませんが)に人を呼ぶのに、芸能人を広告塔として使うという発想の安直さにうんざりします。


ジャクソン・ポロック(1912-1956)。20世紀絵画のみならず、美術の歴史にその名を刻む存在といえるでしょう。
で、ポロックって何がすごいの?と思っている人は多いに違いない(笑)

ワタシも、ポロックの作品をちゃんと見たことは、ほとんどなかったと思います。
で、どう思っていたかというと、何か挑まれている気がしてざわざわする、そんな存在。
平面上にモチーフの姿を再現するだけが絵画ではない、というのは彼の作品に限らない。
ただ、作品として成立させる以上、そこには作り手の意図があり、表現するという行為があるはず。
絵具が飛び散った画面の、作為と不作為の境目の曖昧さが、絵画での表現ってそもそも何なの?という問いにつながっていく。


さて、会場に入ると、いつものとおり、まずは全体をざっと見てみます。
ああこれ、ちゃんと展示順=年代順にみるべき展覧会だな。

初期の作品。

ぐるぐるがすでに気になるわけです.jpg

ポロックは、子供時代、家族で転居を繰り返していたのだそうです。
複雑な生育環境だったのかな、人間嫌いなんだろうなあという印象。
実際、若いうちから(そして、ほぼ一生)アル中だったようだし。


メキシコ壁画、ネイティヴ・アメリカンの芸術、ピカソ、ミロ・・・。
さまざまなものから影響を受け、自分の表現を模索していたことがよくわかります。

おやっと思った一枚。

ミロやんかと確かに思ったよ.jpg

グレーの色面は一見背景に見えるのだけど、実は黒い図像と同じ重みで描かれていて、単なる図と地の関係じゃない。
と思ったら、やはり、グレーの色面をあとから塗っているらしい。
地に図を置くのではなく、地が図を形作っている、というか。


そして突破。


ジャクソンが口火を切った。
(原文は、Jackson broke the ice.表現の違いが面白い)

(会場に書かれていた、デ・クーニングの言葉です)


チケットの部分はどこ?とか探しちゃう.jpg


ポロックと言えば、の「オールオーヴァー」で、ついに突破口を開いたのが1947年。
具象でも抽象でもない。構図も構成も図と地の関係もない。
ただ、飛び散った絵具がたまたま画面に定着した、それだけのもの。

とはいえ、会場で流れていた映像では、ポロックはある意図をもって絵具を画面に流しこんでいるように見える。
実際、初期の作品からずっと、色感だとか、画面上をぐるぐる回る手の動きの癖だとかは、変わっていないし(笑)。
そこに、画家の身体の存在が浮かび上がる。意外に人間くさい「絵」なのかもしれない。
しかも、美しい。なぜか、美しい。


ちょっとポロックを誤解していたな、と気づいた。
もっとコンセプチュアルにあの表現にたどり着いたのだと思っていたんけど、実際には、絵描きとして、新しい表現を追い続けてたどり着いた着地点だったんだ、と自分の認識を修正する。
着地してみたら、かなり地の果てまで来ちゃってた、みたいな。



高い評価を得、絶頂期にあったポロックは、しかし、自ら違う方向に舵を切ります。

1951年からの「ブラック・ボーリング」と呼ばれる作品群。

原爆の絵とか思ったりしてね・・・.jpg

せっかく評価されたのだから、それを続ければいいのに、というのが、ごく一般的な感覚ではあると思います。
ただ、ポロックが、同じところに留まっていることのできない作家だったということでしょう。

この試みは、結局あまり評価されることがありませんでした。
確かに、混沌としたまま、どこにも流れ着くことができなかった印象。
見ていてもやもやするのは、黒いぐるぐるした形状のせいだけではないよね(笑)。


そして、ポロックは、44歳の若さで、自動車事故により世を去ります。
晩年(といってもあまりに若いですが・・・)、描けない状態が続いても、心は絵描きであることをやめなかった。
あまりに前のめりに駆け抜けていった、絵描きの人生を垣間見た気がしました。

画家ポロックの全貌を見られる、めったにない機会。
作品数も多すぎず、集中して楽しむことができました。
5月6日まで。(ってあと数日じゃん!)



さて、東京国立近代美術館は開館60周年。
http://www.momat.go.jp/momat60/
実は、2013年1月14日(月・祝)までの間、誕生日当日は無料で観覧することができます(証明するものが必要です)。

なんと、会期中に誕生日が来るではないですか!
というわけで、見に行ったのは4月17日でした。

これとっとかなきゃ.jpg

チケット売り場で招待券をもらうときと、チケットをもぎってもらうときに、「お誕生日おめでとうございます」って言われるのはちょっと気恥ずかしい(笑)

自分の誕生日は特別展やってない・・・と嘆くなかれ、ここの所蔵作品展は、明治以降の日本美術の教科書みたいな展示。
主要な作家をほぼ網羅し、代表作級の作品が数多く並んでいます。点数も多いので一日楽しめますよ。



さて、ポロックを堪能して、夜はajitoにお呼ばれ。仲間たちが誕生日を祝ってくれました。
料理はもちろん、キッチン担当、ぶちゃん。畑でもすっかりおなじみです。

5人で食べきったのがすごいよ・・・.jpg

タルトもクリームもしっかり作って、でもイチゴは「盛っちまったよ」(笑)。「あまおう」てんこ盛り!
ケーキも他の料理もすごくおいしかった。
プレゼントもたくさんいただいて、とても幸せな誕生日でした。
みんなありがとう!!



ちなみに誕生日の第一声は、「バカボンのパパと同い年になってしまった。」でした(笑)
何歳かは調べてください・・・
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コメント 14

北海 熊五郎

芸術、爆発してますね。。
イチゴも爆発してる。
うまそうなイチゴですこと。

by 北海 熊五郎 (2012-05-02 05:45) 

リュカ

えー!バカボンのパパって・・・そうだったの!!!
いやーん、もっとオジサンだと思っていたのに・・・私たちがそんな年齢になっているんですねorz...

ちなみに美術館の音声ガイドに、芸能人を起用する必要あるの?と思ってしまう私です。借りないからいいんだけどね。
ポロックの初期の作品って初めて見ました。ポロックの人生って作品を含めて殆ど知らないです。面白そうだなって思いました。
誕生日当日は無料!これnice情報^▽^
今年の誕生日は国立近代美術館で過ごすことにしようっと。(去年は科学博物館で過ごしたw)
by リュカ (2012-05-02 07:58) 

ぽとす

雨の日はいろんな家事ができなくて困るけど、この季節だけは若葉の匂いと色が空気に染みてて気持ちがいい!!深呼吸に最適~っ。ポロック、絵の具ばしばしのしか知らなかったけど、画像で見る限り同じ感想です、テクニックとして「やってた」と思ってた。私バセドーの時、眼球突出しててモノがゆがんで見えてて、あと耳が壊れてからは風景が常に右に8度位傾いて見えています(笑)きっと心身にトラブルを抱えると「自分はこう見てこう考える」というのを人に伝えたくて、表現手段を持つ人はぶつけるのかもしれませんね。いわゆるコンテンポラリーを見に行くたび、そう思う。その作家にはそう見えていた、に違いないと思うことしばしば。もちろん計算されつくした手法だった人もいるけどさっ。
by ぽとす (2012-05-02 09:22) 

luces

お誕生日おめでとうございます。
誕生日は無料なんですか。でも誕生日過ぎているし、残念です。
ポロック展は行こうかどうか悩みましたが、娘と散歩がてら見に行くには
攻撃的過ぎて疲れそうなので、止めておきました。
もう終わってしまうんですね。
死因はこの時代だし薬物だと勝手に思っていましたが事故でしたか。

by luces (2012-05-02 10:09) 

T2

バカボンのパパはとっくに超え
波平さんまであと7年と知って愕然とする今日この頃(笑)

“この絵は見たことがある” ぐらいにしか、ポロックは知りませんでした
“着地点の模索”
創作家が試みる迷宮ですよね~
本物を目の辺りにしたら、感じることができるかな?

“知る人ぞ知る” をいかに宣伝し、興行を成功させるか
あえて興行と呼ばせてもらいますが
こんな(オフィシャルサイト)のを見ると広告代理店暗躍が
浮かんでしょうがないです・・(仕方ないんでしょうが)

by T2 (2012-05-02 12:11) 

HIRO

こんにちは。
お誕生日おめでとうございます。

 < 「バカボンのパパと同い年になってしまった。」
 < 何歳かは調べてください・・・

ググってみたら…

 < ちなみに誕生日は、昭和元年の12月元日
 < のクリスマスの夜だそうだ

っていうのに当たって、計算すると
1926年生まれ…( ̄▽ ̄;)!!ガーン




< 人を呼ぶのに、芸能人を広告塔として使うと
< いう発想の安直さにうんざりします。

映画でも何でも、芸人読んでくれば、話題になって…って本末転倒(大呆)
by HIRO (2012-05-02 14:52) 

miyomiyo

ポロックって以前自分が何かでコメ入れした気がしたと思ってたら、そりゃ~ボナールでした。(かなり違う?)
初めて見たんですケロ、ビュフェの黒色使いに近いよーに感じたです。
ラインの方は明らかにポロックの方が丸くて優しげですな。
んで、お誕生日おめでとーございます。
年の数だけイチゴが載ってると見たぞ。
齢いくつなんかは、うなされそーなんで聞かんです。(アラジュー?(爆))

にしても、いつの間に場外乱闘会場が設けられたんぢゃ?
誰のせーで?(聞くな?)
っつーても、場内の気がするんは見当違いでしょーか。
今度こそは無毒になってみせるぞ~。(って言ってる傍から吐きまくってる?)

by miyomiyo (2012-05-05 14:09) 

iwabuti

最終日かけこみで行ってきました。
私は黒一色のほうが好き。
多くても三色。
観覧してる人の中に描き方を真似してる方がいておもしろかった。
映像見た後だねww
by iwabuti (2012-05-06 14:28) 

しろのぽ

北海 熊五郎さん

爆発したのは太郎さんでしたね(笑)
イチゴはあまおうですよー。
福岡の生んだ最強ブランドイチゴです。うまいです。


リュカさん

ですよね・・・アイドルやスポーツ選手がみんな年下だ!と思った時以上のショック(笑)

美術館の音声ガイドは、ワタシも借りた事ありません。
見る順番とか感想とかに割り込まれるの、イヤなんですよねえ。
ポロックの初期の作品は、ワタシも全く知らなかったんです。
あれを見てから最盛期の「オールオーヴァー」を見ると、見方がかなり変わりました。
美術館や博物館で過ごす誕生日もいいですね。科学博物館はちょっとご無沙汰です。行きたいな。


ぽとすさん

雨が降ると植物が生き生きしてくる様子が、一番感じられるのもこの季節だと思います。
初期の作品を見ることで、ここまで印象の変わった作家は初めてです。
とにかく絵描きとして、誰もやっていないことがやりたかったんでしょうか。
それだけに、本質的に変わっていない部分も浮き上がってくるのが興味深かったです。
そのエネルギーの源には、すごく屈折したものもありそうなんですけど(笑)


lucesさん

遅ればせながらありがとうございます(^^
誕生日無料は、ワタシも、うっかり見落とすところ、というか知らなかったので前売り買っちゃってて・・・
一緒に行った人の分のチケットになりました(笑)
確かにポロックの作品は、見て安らげるものではないかなあ。
ただ、エネルギーが外に向かうというよりは、どこか内省的なものがあるように思えました。
死因は交通事故ですが、飲酒運転での自損事故です。
もともとアル中だったし、依存したものが自分を滅ぼしてしまったという点では薬物中毒と大差ないように思えます。


T2さん

な、波平さん?年齢をぐぐってびっくり。あのー見た目より若くないですか(爆)

ポロックの作品を見る機会は、東京にいてもあまりないです。
知っているつもりで、実際に見たら違ってた、みたいな作家、もっとたくさんいるんだろうなと思いました。
着地点の模索、といっても、作家自身が着地点だと思っているかはわからないですね。

芸能人人気にあやからせずに、作品の魅力を伝えることはできないの?と思うわけですが。
情報の受け手のほうにも問題はありますよね・・・


HIROさん

はい、遅ればせながらありがとうございます。

な、なぜそのような検索結果に!?
エンディングテーマで歌ってるじゃないですかー!!!(T▽T;)

ワタシはTVを見てないので、芸能人の影響力って実は全くわかんないんですけどね(爆)


miyomiyoさん

ボナールの話なんかしたっけか・・・アラヒャクテンのおぢさんに記憶で負けてるんだろうかワタシ?
黒は黒なんですが、それ以外との色彩との関係が、ビュッフェとは全く違うように思われます。
そーいやポロックの作品には、直線的なラインがあまりありません。ぐるぐるの曲線。

年齢の数だけイチゴが乗ってたかは、わりと近い気もするが確かめようがありません。ザンネン!?
そして、そもそもおぢさんのアカウントは場外乱闘のために作られたような気がしてならんです。
無毒化めざしてデトックスに励んでくらさい、としか言いようがないです~。


iwabutiさん

あ、行ったのねー。
黒一色の、ちょっと書みたいになってたのも面白かったなあ。
で、最盛期の作品を見て、この作品はいったいどうなってんだ、と思うところに、意外なほどわかりやすいメイキング映像が流れてるもんね。
画面に向かって指ぐるぐる、はワタシもちょっとやりました(笑)

by しろのぽ (2012-05-06 16:01) 

hoshizou

いくつか、コメントを書いたけど、あまりにもうすっぺらで、恥ずかしくて
デリートの繰り返しです。
もう少し知性を身につけたい。
by hoshizou (2012-05-06 23:36) 

oko

お誕生日おめでとうございます♪
ケーキとっても美味しそうでゴージャスです♪
by oko (2012-05-07 06:25) 

gwan3

お誕生日おめでとうございます。
歳の数だけいちごが盛ってあるのですか ^_^)b
by gwan3 (2012-05-07 08:47) 

makizukin

お誕生日おめでとう^^
アートに畑に誕生日を祝ってくれる仲間。
なかなかステキな日々をお過ごしね。
このまま晴耕雨読ライフを突っ走ちゃえ〜〜〜♪

で、九条ネギ育てたら分けて。
by makizukin (2012-05-08 22:02) 

しろのぽ

hoshizouさん

えぇぇ・・・そのまま突っ走るのがhoshizouさんの真骨頂かと思ってましたけど(爆)
ポロックへのコメントがちょっと見たかったです。


okoさん

ありがとうございまーす。
ケーキとってもおいしかったです。タルト生地大好き。


gwan3さん

結構いい歳でしょ(笑)?
ろうそくはちゃんと立ててもらいました。イチゴの数、そういえば近いかも・・・


makizukinさん

無職生活が板に付きすぎてヤバいです(笑)
自炊も制作もままならなかった出張生活時代にはもう戻れませんねえ。
晴耕雨描ライフを地でいきつつあります・・・

青ネギ系ってこの辺ではほとんど作ってないんですよー。
わけぎや下仁田ネギは作ってます。新鮮なのがおいしいですよ。
by しろのぽ (2012-05-08 23:44) 

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